自然葬の勧め

 

仏事サポートジャパン代表  池松 宗純                              

 

人の死後、その遺骨は、霊園墓地を得て、それぞれがお墓を建てて、それぞれのお墓に

埋葬されるもの、そうするもの、そうしなければならないものと私たちを含め多くの

人々が思っていました。

 思っていたと云うよりも、むしろブルドーザーを押し入れ、緑の丘や里山を切り崩し

樹林をなぎ倒して狭い国土のあちらこちらに造られた霊園や墓地、唯一そのお墓に

埋葬しなければならないものと思い込まされていたと云っても過言では無いような

気がします。

 お墓や葬儀を含めての仏事全般、まさに立ち入れない聖域みたいに不透明で高価格、

高負担の常識は、私たち庶民にはいつまでも耐え難く、見直しの声は多く根強く

あちらこちらから新たなる草の根の動きとなっていました。

その方面からの多く激しい批判非難の眼差しにも屈せず、しりぞかず、先駆先導の

学者、文化人、市井の人々の多くの草の根の地道な努力のおかげで、今、高値に

仕組まれていたお墓と葬儀、仏事全般の有様は、大きく見直され激的に変わりつつ

あります。

あろうことか死が悲しみ慕いねぎらい偲び想い送るという様な事より悩ましく

のしかかる重みの負担の有様と化してしまった感がありました。

今やっと葬儀がそんなに高額である必要もないし、ひも解いてみれば、そんなに高額に

なるはずもない。

遺骨は、高額な墓を建ててその墓に納めなければならないものでもないなど、

様々な事が、明白にさらされる様になり不透明で知り得なかった今まである意味、

仕組まれた因習から解き放たれて新たな、そして多様な葬送、多様な形態が本流と

なりつつあります。

私達仏事サポートジャパンは、あまりにも高価に仕組まれたお墓と葬儀を初めとする

葬送仏事全般を見直し、生活に軸足を置き無理のない仏事をモットーにお墓と埋葬の

有様の一つとして4年前、今迄、寺や墓地に在ったにしてどちらかと言えば日の目の

無い片隅に殆んど認知されざるがごとくあった共同墓地、合祀墓を大きく前面に出して、

何よりも全く負担の少ない価格で、ご遺骨を埋葬できる共同合祀墓「久遠の碑」を

建立しました。

価格は、維持管理費、骨壺処理等を一切含めて1万8千円のみです。

「こんなに安くて何かあるのでは」等いぶかる方もおられましたが、共有共用であれば、

初期建立費用は、当然ですが、ちなみに500人の皆さんとの故人の縁を頂ければ

計算のごとく全く1万8千円で十分なのです。

勿論お墓を持とうにも、どうしようもあきらめざるを得ない数多の人々を含め福祉的な

意味合いを含めての価格でもありますから・・・・。

お陰様で今や共有共用の世の多様な拡がりとも相まって合祀墓は、全国至る処に、

しかも無理のない価格で多くの皆様に提供されるようになってきています。

この潮流に押されて当然一般のお墓も少し無理をすればそれぞれ手に届くほどに価格は

下がっている訳です。

お墓も共有共用すれば、尽きる事のない墓地拡張による里山自然の減少を少しでもと

言う大義を含めて・・・。

そしてなお更なる葬送の変革の波は、遺骨を壺に詰め込みフタして密封、

墓や納骨堂の狭間に時には、鍵付けまでして閉じ込め保管する旧来の方法から

遺骨は、自然に放たれ、帰り、大いなる自然に抱かれる。自然の中へ!自然と共に!

「自然葬」「散骨葬」として、海への散骨、山や野、森の樹林への散骨などと多様な

形態を伴って大きなうねりとなり、商ビジネス仕様に仕組まれてきた昨今の因習を

過去のものとして覆しつつ、今、新たなる日本の葬送文化を処々創造しつつあるとも

云えます。

しかし、又、この葬送の多様さ自然回帰の散骨や樹林葬、その他処々の納骨方式も、

それぞれに手を替え品を替え、様々に付加されて商品化され、その価格の適正さは、

いかがなものかと、いぶかしさを感じます。

私達、仏事サポートジャパンは、仏事のみならず私達の生活、いや生きる全てに

(勿論死と死ののちにも)人、もの、皆、万有万物すべてと支え支えられ、

助け助けられながら「支え合い助け合いの志」を何よりもの心としています。

自然を活かし自然に生かされ、いや、むしろ圧倒的膨大な我ら人以外の命と亡骸の

お陰と自然の数限りない命(生命)とのかかわりの中に、お陰様で生き生かされる我ら、

我らの生命と、我らの死を、そして生の名残のなきがらを我がもの我が家ものだと

壺や箱や石室に密封保管する従来の埋葬一辺倒から自然のいのちの循環の中でとらえます。

多くの人々の地道な草の根の運動からやっと今、認知され始めた自然に返し、自然に帰る

散骨葬をも無理のない価格でサポート致します。

海や山や森、里山、山野を借りてのある意味、源資いらずの葬送ですから、この自然葬

こそ20万も30万ものそんな価格である必要は全くありません。

何飾ることなく素朴質素極まりなけれど惜しみねぎらい慕い偲び悲しみを身体いっぱい

想いのたけを込めて、ありし人を送る自然散骨葬。

仏事サポートジャパンは、合祀墓「久遠の碑」に続いて森と海への散骨葬を、粉骨・

壺処理等一切含めて3万3千円でサポートします。

ちなみに、九州天草の山に手つかずの自然樹林2,800坪を自然の森のメモリアル

「久遠の森」として確保しております。

この森のメモリアルでは、森全体が聖域としてのひとつのお墓です。

ここで、私達人の死(なきがら)は、森に放たれることにより草や樹木、虫や蝶や鳥たち、

多くの森の生命の糧となって、森を育み幾久しく森と共に、いや、むしろ自らが

森となって久遠、幾久しく生きていくのです。

 

九州天草の散骨の海

九州天草の自然の樹林

 

宗教法人 仏舎利苑の仏舎利塔

九州の海洋葬・樹林葬等の自然葬

を仏舎利苑が行います。